
ブリーフセラピーは、アメリカの精神科医であるミルトン・エリクソン(1901~1980)がおこなった治療法をもとにして生まれた心理療法です。
炭治郎はカナヲと、簡単な会話を必要以上に繰り返しています。これは心理療法の導入としては当たり前におこなわれる手法で、相手に信頼感や「理解されている」と思わせる心理テクニックのひとつです。
「(銅貨って)あんなに回るんだね」
というように、当たり前のその場の状況を要約したり、説明をすることでも、催眠術にかかりやすくなるような効果があるのです。

ブリーフセラピーは、相手の問題を浮き彫りにする行為でもあるので、さらにその問題を強くしてしまわぬように十分な配慮が必要です。
ブリーフセラピーには問題焦点型(MRIモデル)と、解決焦点型(BFTCモデル)があります。
問題焦点型(MRIモデル)の考えかたは、カナヲの「自分で決められない」という問題の解決行動である「銅貨を投げて決める」という行動そのものが、本質的なカナヲの問題(自分で決められないこと)を維持してかつ、その問題を再生産している「偽の解決法である」と考えます。

次に、偽の解決法という認識を強めたうえでリフレーミングをおこないます。リフレーミングとは、問題の状況や内容を書き換えるという方法です。
固定観念や一方通行な考えなどを変化させるには、違った見え方や考え方に触れさせることによって、思考の柔軟さを取り戻し、問題に対しての解釈を変化させるのです。
炭治郎はカナヲの偽の解決行動である「銅貨を投げて決める」を、あえて使うことでそれを強調し、「カナヲは心のままに生きる」(もう銅貨を投げて決めない)と、偽の解決法を使って問題の本質を書き換えるというスーパーテクニックを使ったのです。


鬼滅の刃:炭治郎のブリーフセラピー(心理療法)。炭治郎とカナヲの恋の物語を考察。|鈴木一弘 苫米地式コーチング認定コーチによる研究紹介|note
ブリーフセラピーは、アメリカの精神科医であるミルトン・エリクソン(1901~1980)がおこなった治療法をもとにして生まれた心理療法です。 炭治郎はカナヲと、簡単な会話を必要以上に繰り返しています。これは心理療法の導入としては当たり前におこなわれる手法で、相手に信頼感や「理解されている」と思わせる心理テクニックの...
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