アーモンドは、4月1日の誕生花です。
花言葉は、「真心の愛」となっています。
アーモンドの語源
アーモンドの語源は、古代ギリシャ語の扁桃体を意味するアミグダリ(amygdalí)や、古代フランス語のアルマンド、アレマンド、後期ラテン語のアマンデュラ(amandula)あたりが濃厚そうです。
日本では扁桃(ヘントウ)とも言われており、自生しているのはイランとその周辺諸国で、世界中で栽培されており、日本では小豆島、鹿児島県、山形県で栽培されているようです。
科学的な分類は、バラ科、モモ亜科、サクラ属で、アンズ、モモ、ウメの近縁種とされています。

ポルトガルからきたアメンドウ
アーモンドは江戸時代にポルトガルからアメンドア(amendoa)として日本にやってきたそうです。
和名のアメンドウは、ポルトガル語のアメンドア(amendoa)や、オランダ語のアマンドウ(amandel)が訛ったという説があります。

2種類のアーモンド
アーモンドは、大別するとスイートアーモンドとビターアーモンドに分けられます。
食用アーモンドのほとんどはスイートアーモンドで、品種は100種以上にもなります。ビターアーモンドは、野生種などから獲ることができるそうです。
どちらもオイルとして利用されており、スイートアーモンドオイルはアロマテラピーや化粧品に、ビターアーモンドオイルは、食品の香料や香水などに使われています。

ビターアーモンドにはシアン化合物のアミグダリンが含まれていて味が苦く、大量に摂取すると有毒となるようです。
どちらのアーモンドにも、ベンズアルデヒド(アーモンドの匂い成分)が含有することから、杏仁豆腐や、イタリアのリキュール、アマレットなどの香料として利用されることがあります。


ちなみにアメリカでは、ビターアーモンドの種子の市販は禁じられているそうで、日本ではビターアーモンドを食品として輸入することができないとのことです。
グリーンアーモンド
アーモンドの栽培は、ヌメイラ(ヨルダン)の遺跡で発見されていて、その歴史は紀元前3,000年~2,000年(青銅器時代)となります。
おそらく食用などでの利用は、それ以前からということになるでしょう。
若く成長したアーモンドの果実は、グリーンアーモンドとして食べることがあります。
味はやや酸味があり、中東の一部ではグリーンアーモンドの塩漬けが人気で、ナツメヤシと一緒に食べられることがよくあるそうです。

フランスのアーモンド料理
アーモンドとヘーゼルナッツのメレンゲを交互に重ねたダックワーズや、円形のパイ生地でアーモンドなどの具材を挟んだピティヴィエがあります。
ちなみにピティヴィエは、フランスの中北部ロワレにあるコミューンの名前が由来だそうです。


ドイツのアーモンド料理
ドーチェスウスターボート(deutsches osterbrot)という、レーズンとアーモンドなどを入れて焼いたイースターブレッドがあります。

ギリシャのアーモンド料理
アーモンド粉を使用した生地をトレイで焼いたアミグダロピタがあります。

また、ギリシャの伝統的なクラビーヤビスケット(kourabiedes)にもアーモンドが使用されています。

サウジアラビアのアーモンド料理
米料理のカブサ(kabsa)にはアーモンドが散りばめられています。

その他にもアラビア料理として、マンサフ(mansaf)という子羊とヨーグルトソースを使った伝統的な料理があります。

イランのアーモンド料理
グリーンアーモンドを海塩に浸されてストリートマーケットで販売されています。
また、砂糖を水とローズウォーターで煮て、ローストアーモンドをコーティングして作られるノグル(noghl)、ヌクル(nqul)というお菓子があり、イランやアフガニスタンの結婚式では、新郎新婦にライスシャワーのようにノグル(ヌクル)が利用されているそうです。

イタリアのアーモンド料理
コロンバパスクアーレというアーモンドを使った伝統的なイースターブレッドがあります。

18世紀初頭ミラノの司教がロンバルディア州のサロンノの町を訪れた際、若いカップルが司教を歓迎してもてなした”ほろ苦い風味のマカロンが、アマレッティ・ディ・サロンノです。

イタリア語でトローネ(torrone)といわれているヌガー菓子もあります。

モロッコのアーモンド料理
アムルー(amlou)は、モロッコ南西部にあるアルガンツリーの種から搾ったアルガンオイルと、ハチミツ、アーモンドからできたペーストです。

シャルバットビロウズは、結婚式に出される飲み物で、ブランチングしたアーモンドに、ミルク、砂糖、香料などをブレンドして作られています。

インドのアーモンド料理
ムガル帝国の宮廷料理であったムグライカレーがあり、その中には濃厚なアーモンドペーストが入っています。カレーの中で最も贅沢な味と言う人もいるとか。

ヒンディー語ではアーモンドをバダム(badam)といい、様々なスナックやスイーツに利用されています。



イスラエルのアーモンド料理
アーモンドはタヒニクッキー(Tahini cookie)のトッピングとして使用されたり、スナックとして食べられたりしているそうです。

スペイン産のアーモンド
マルコーナアーモンド(marcona almond)は、アーモンドの女王といわれており、様々なお菓子などに使われています。
スペインには、イタリアのトローネ(torrone)と同じヌガー菓子、トゥロン(Turrón)があります。


スウェーデンのアーモンド料理
伝統的なプリンセスケーキ(Prinsesstårta)は、スポンジケーキ、ペストリークリーム、ラズベリージャム、ホイップクリームを、アーモンドミールやアーモンドオイルを使ったマジパンで覆ったものです。


アーモンドはナッツじゃない?
厳密にはアーモンドの果実は核果といって、外側の外皮と、種子が内側にある堅い殻で構成されているのです。

緑色の外皮と、薄茶色の堅い殻に覆われている。
聖書にも出てくるアーモンド
ヘブライ語の聖書では、アーモンドは開花が早いため、用心と約束の象徴でした。

アーモンドについては、創世記で10回ほど言及されています。
民数記17章に言及されているモーセの兄のアーロンの杖は、2本のアーモンドの木でできており、片側はスイートアーモンド、反対側はビターアーモンドの木でできているという説があります。
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